当院の白内障手術
白内障手術とは目の中にある濁ったレンズ(水晶体)を取り除き、代わりに人工の透明なレンズを挿入する手術です。濁っていたレンズが透明なレンズに置き変わるので、ものが明るくはっきり見えるようになり視力の回復が期待できます。通常の白内障であれば、手術時間は10分程度となります。
当院には入院設備がありますので、日帰りでも入院でも白内障手術で行うことも可能です。入院の場合、片目の手術では1泊2日から2泊3日、両目の手術では2泊3日の入院期間となります。
日帰り白内障手術がおすすめの方
- 術後、過ごし慣れた自宅の環境で休みたい方
- 仕事、家事に早期復帰したい方
- 育児、介護、ペットの世話などで、家を空けることのできない方
入院白内障手術がおすすめの方
- 術後見えにくい状態で家に帰るのが不安な方
- 仕事、家事から離れ、病室でゆっくり休みたい方
- 術翌日の通院が困難で、通院の負担を減らしたい方
- 1回の入院 で両目の手術を終わらせてしまいたい方
手術内容
1麻酔をして消毒
点眼による麻酔を行い、目の周り、目の中をしっかり消毒します。
2前嚢切開
水晶体の一番表面の膜(前嚢)を円形に切り取り、水晶体を吸い出すための孔をあけます。
3超音波乳化吸引
濁った水晶体を細かく砕きながら、吸引して除去します。
4眼内レンズを挿入
人工の水晶体である眼内レンズを挿入し、眼内に固定します。
白内障手術への
こだわり
眼内レンズの選択
眼内レンズとは白内障手術の際に目の中に挿入する人工のレンズのことで、大きる分けると『単焦点レンズ』と『多焦点レンズ』があります。『単焦点レンズ』『多少点レンズ』それぞれに一長一短あります。『単焦点レンズ』はピントの合う範囲が狭いですが、ピントの合う位置は多焦点レンズより鮮明に見えます。術後、運転用や老眼鏡など何かしらの眼鏡が必要になるケースが多いです。『多焦点レンズ』はピントの合う範囲が広いですが、単焦点レンズに比べると見え方の質が劣ります。術後眼鏡が必要なくなる、もしくは眼鏡を必要とする場面を減らすことができます。当院では眼の状態や生活スタイルにあったレンズ選びをサポートいたします。『単焦点レンズ』と『多焦点レンズ』のどちらが自分に合っているのか分からない、迷っている場合は、お気軽にご相談ください。
眼内レンズのメリット・デメリット
単焦点眼内レンズ | 多焦点眼内レンズ | |
利点 |
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欠点 |
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適す方 |
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当院で取り扱う
多焦点眼内レンズ
テクニス |
テクニス・シナジー![]() |
クラレオン |
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タイプ | 回折型 | 回折型 | 回折型 テクノロジー |
ピント | 焦点深度拡張 | 連続焦点 | 3焦点 |
近方視の 焦点距離 |
66cm | 70cmまで | 40cm /60cm |
乱視矯正 | ○ | ○ | ○ |
医療費 | 選定療養 | 選定療養 | 選定療養 |
費用 | 150,000円(税込) | 260,000円(税込) | 250,000円(税込) |
トーリックの費用 | 170,000円(税込) | 280,000円(税込) | 270,000円(税込) |
高性能な手術顕微鏡を使った手術
当院では、2024年11月に発売されたカールツァイスメディテック社(ZEISS社)のARTEVO750を導入しております。
眼科手術支援システム「カリスト・アイ(CALLISTO eye)」が内蔵されており、術前の検査データをもとに、その眼に最適な切開位置や眼内レンズの固定位置をリアルタイムで投影することができます。これにより、より質の高い、精密な手術が可能になります。当院では全症例で、この「カリスト・アイ(CALLISTO eye)」を用いた、白内障手術をおこなっておりますので、より精度の高い手術を提供することができます。
手術室
白内障手術で最も気をつけないといけない合併症の一つに術後感染症があります。手術を受けた傷口が化膿してしまうと重篤な視力障害の残してしまう可能性があるため、手術をする環境は清潔でなければなりません。当院では菌を発生させない、菌を持ち込まない、菌をためない、菌を排除するといった無菌4原則に基づいた計画で、専門業者による手術室の設計、施工を受けております。また、専門業者による定期的な環境モニタリング、メンテナンスを受け、常に手術室を清潔に保つことを心掛けております。どんなに気をつけても術後感染症を0にすることはできませんが、当院では可能な限りの対策をし、安心して手術を受けられる環境を整えております。
白内障手術の流れ
1手術前検査とご説明
手術に必要な検査を行い、手術内容や、術前・術後の注意点について詳しくご説明いたします。
2手術日の決定
患者様のご希望を伺い、手術日を決定します。日帰り手術か入院手術かを決定します。
3術前点眼の開始
(手術日の3日前)
手術3日前から抗菌薬の点眼を開始していただきます。
4手術当日
予約時間に来院していただきます。手術予定時間の1時間半ほど前から手術の準備として点眼が始まります。手術は通常10分程度で終わりますが、進行具合により予定時間が前後することがあります。手術後は回復室で30分程度安静にしていただき、問題なければ帰宅していただきます。
入院の方
入院の方も手術日当日の予約時間に来院していただきます。病室にて手術予定時間の1時間半ほど前から手術の準備として点眼が始まります。手術は通常10分程度で終わりますが、進行具合により予定時間が前後することがあります。手術後は病室へ戻り30分程度安静にしていただきます。
5術後の診察
手術翌日の朝に来院していただき、術後経過を診察をします。手術後の1週間は術翌日を含め、通常3回ほど、診察のため来院していただきます。それ以外のタイミングであっても、異常を感じた場合は当院へご連絡ください。
入院の方
退院する日の朝まで毎朝診察があります。退院の日は10時までに退院してください。退院時に次回外来予約について説明いたします。退院後に異常を感じた場合は当院へご連絡ください。
白内障手術後の注意点
スマホ、テレビ、読書
スマホ、テレビ、読書などで目を使う行為は術後直後から制限なく行えます。ただし、手術をした目は眼帯をつけていますので使うことはできません。
首から下のシャワー、入浴
首から下のシャワー、入浴であれば術翌日から可能です。ただし、長時間の入浴は血流が良くなり炎症が悪化する原因となりますのでお控えください。
仕事・家事
不潔にならない仕事・家事であれば術翌日から可能です。砂埃が舞う環境などでは制限が長くなることもありますので、詳しくは医師にお尋ねください。
車の運転
裸眼もしくは眼鏡装用下で、両目での視力が0.7以上あれば、車の運転は再開していただけます。ただし、術後に手持ちの眼鏡が合わなくなっている方は、眼鏡を更新するまで運転はお控えください。また、見え方が変わり距離感が掴みにくくなることもありますので、近場の運転から慣らしていくなど、十分注意してください
洗顔・洗髪
術翌日の診察で、手術の傷口に問題がなければ術後2日目から洗顔・洗髪をしていただけます。ただし、洗顔も洗髪もシャワーから直接出るお湯をお使いください。手のひらや洗面器に溜めた水には雑菌が入りますので使用は控えてください。術後1週間目の診察で問題なければ気にせず、洗顔・洗髪していただけます。
飲酒
飲酒は血流を良くして炎症を悪化させる恐れがありますので、術直後はお控えください。術後3日目から飲酒していただけます。
激しい運動
乱視用のレンズを使った場合は、しっかり目の中で固定されるまでに2週間程度の時間を要します。激しい運動により乱視軸がズレ、修正の手術が必要になる可能性もありますので術後2週間程度は激しい運動はお控えください。ウォーキング程度であれば、デスクワーク、家事と同程度の負荷ですので、術翌日から可能です。
アイメイク・化粧
軽いお化粧であれば術後3日目からしていただけます。ただし、目周囲の化粧やアイメイクは目の中に異物が入り、結膜炎や感染を起こす原因となりますので通常は術後1週間程度はお控えください。手術の内容によっては1か月程度お控えいただくことがあります。
プール・温泉・畑仕事
プール・温泉・畑仕事は気をつけていても目に雑菌が入りやすい環境です。術後2週間程度は避けてください。手術の内容によっては1か月程度お控えいただくことがあります。
術後の日常生活の制限をまとめた表が下記になります。
手術当日 |
翌日 |
2日後 |
3日後 |
2週間後 |
1か月後 |
|
スマホ・テレビ・読書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
シャワー・入浴(首から下) | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
仕事・家事 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
運転 ※1 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
洗顔・洗髪 | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
飲酒 | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
運動 ※2 | × | × | × | △ | ○ | ○ |
アイメイク・化粧 ※2 | × | × | × | △ | △ | ○ |
プール・温泉・畑仕事 ※2 | × | × | × | × | △ | 〇 |
※1 両目での視力が0.7以上出ている方に限ります
※2 手術内容によって制限が長くなることがあります。詳しくは医師にお尋ねください。
白内障手術の費用の目安
単焦点レンズ(保険適用)
単焦点レンズを使用した白内障手術の場合、手術費用、眼内レンズ費用、検査費用、薬剤費用は、健康保険が適用されます。
負担割合 | 片眼 |
---|---|
1割負担の方 | 約15,000円 |
2割負担の方 | 約30,000円 |
3割負担の方 | 約45,000円 |
※費用は病状により異なる場合があります。
※入院の場合は1泊につき+2,000〜5,000円程度(食費込)の費用がかかります。
多焦点眼内レンズ
(保険適用外)
多焦点眼内レンズの場合、保険の自己負担費用に加えて、選定療養費が必要となります。
多焦点眼内レンズの選定療養費は、レンズの製品ごとに異なります。
高額療養費制度について
高額な医療費で医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度である『高額療養費制度』をご利用いただける可能性があります。
年齢や所得に応じて、自己負担限度額が定められており、条件を満たすことで、負担をさらに軽減できる場合があります。
高額療養費制度の申請方法や詳細については、厚生労働省のホームページ「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 をご確認ください。
また、生命保険に加入されている方は、手術給付金特約や先進医療特約が付帯されている場合、給付金を受け取れることがあります。
詳しくは、ご加入の生命保険会社にお問い合わせください。
よくある質問
白内障手術は日帰りと入院どちらが良いですか?
日帰り手術と入院手術、それぞれにメリット・デメリットがあります。
日帰り手術:は日常生活のリズムを変えずに手術を受けられ、入院による拘束がないため早期の社会復帰が可能です。また、入院費用がかからないため、手術費用を抑えられます。
一人暮らしの方やご高齢の方、白内障以外の病気をお持ちの方など、入院して手術を受けた方が安心という方もいらっしゃいます。
白内障手術自体は、日帰り・入院どちらでも変わりません。
患者様のご希望や生活スタイルなどを考慮し、医師と相談の上、決定しましょう。
白内障の手術後、何日ぐらい安静が必要ですか?
デスクワークなど、身体に負担がかからないお仕事の場合は、翌日から復帰可能です。
ただし、目に刺激を与えないように注意が必要です。
アイメイクや洗顔は1週間後から可能です。
力仕事や運転を主とするお仕事の場合は、1か月間は安静が必要です。
仕事内容や復帰時期については、医師と相談の上、決定しましょう。
白内障手術の平均年齢は?タイミングはいつ?
白内障手術は、加齢とともに発症率が高まるため、高齢者に多く行われる手術です。
ピークは70代ですが、白内障の進行状況や手術の適切なタイミングは個人差がありますので、医師にご相談ください。
白内障手術は両目した方がいいですか?
両目同時手術と片目ずつ手術、それぞれにメリット・デメリットがあります。
両目同時に手術を受けると1度の通院で済む、両目の見え方のバランスがとりやすいなどのメリットがある一方、手術後の視力回復に時間がかかる、度数ずれが起こった場合の修正が難しいなどのデメリットもあります。
片目ずつ手術を受けると片目の手術後、もう片方の目の手術の参考にできる、万が一の際のリスク分散ができるなどのメリットがある一方、通院が2回必要になるなどのデメリットがあります。
患者様のご希望や目の状態などを考慮し、医師と相談して決めましょう。
左右の目は日をあけて白内障手術をした方がいいですか?
当院では1週間以上間隔をあけて左右の白内障手術をすることをお勧めしています。
1週間以上間隔を開けて左右の白内障手術を受けることで、片目の術後の見え方を確認して、反対の目の手術を受ける事ができます。
思ったより近くが見えない、遠くが見えないといった要望に多少なりとも対応しやすくなります。両目を立て続けに手術すると、見え方が分からないまま両目の手術を受けることになり、手術が終わって初めて、思ったより近くが見えていない、遠くが見えていないことを気付くことがあります。ただし、手術と手術の間隔をあけると術後の通院回数が増えるといったデメリットがあります。
白内障手術は痛いですか?
白内障手術は痛みをほどんど感じないことが多いです。
大抵の場合は点眼による麻酔のみで苦痛を感じることなく手術を終えることができます。痛みを感じやすい方や不安が強い方は、麻酔を追加することで痛みなく手術を受けることが可能です。手術後は麻酔が切れるとゴロゴロとした異物感を感じることがあります。