白内障とは
白内障とは、加齢などが原因で目の中の水晶体という組織が濁ってしまう病気です。
水晶体は、カメラでいうレンズの役割をしている組織で、外から入ってくる光を集めてピントを合わせる働きをしています。
水晶体が濁ると、視界がぼやけたり、眩しく感じたりするようになります。
白内障の原因による分類
加齢性白内障
年をとると白内障になりやすくなります。加齢や長年の紫外線暴露の積み重ね等により、水晶体のたんぱく質が変化し、だんだんと水晶体が白くが濁ってくる病気です。進行すると、かすみを感じたり、視力が低下してきます。徐々に進行する場合は、自覚症状がほとんどないこともあり、検査して初めて指摘されることも少なくありません。
アトピー性白内障
アトピー性皮膚炎があると白内障になりやすくなります。アトピー性白内障の明確な原因はわかっておりませんが、アトピー性皮膚炎と深く関係があり、10代、20代でも発症する可能性のある病気です。目を擦ったり叩いたり、長期にわたり持続的に目に負担をかけるために水晶体が混濁してくるのではないかとも言われています。
糖尿病白内障
糖尿病があると白内障になりやすくなります。血糖が高い状態が持続すると、ソルビトールという糖の一種が水晶体に蓄積しやすくなり、通常よりも若い年齢で水晶体が混濁し白内障を発症します。
続発性白内障
ぶどう膜炎などの目の中で炎症を起こす疾患を持っていると白内障になりやすくなります。糖尿病白内障と同様に通常より若い年齢で水晶体が混濁し白内障を発症します。
外傷性白内障
目を怪我したり、鈍的外傷により強い衝撃やストレスが加わると白内障になりやすくなります。水晶体が直接傷つくことにより、水晶体が混濁し白内障を発症する場合と、受傷時には混濁はなく、何年も時間をかけて徐々に水晶体が混濁してくる場合があります。
薬剤性白内障
ステロイド薬を長期にわたって使用することで白内障になりやすくなります。ステロイド薬によって発症する白内障は進行が早いのが特徴です。ステロイド薬の長期使用は緑内障の原因にもなり得ますので、ステロイド薬を長期に使用する場合は定期的な眼科受診をすることが大切です。
先天白内障
先天白内障とは、遺伝や胎児内感染など先天的なことが原因で、生まれつき水晶体が濁っている病気です。成長共に水晶体の濁りが進行してくる発達白内障という病気もあります。
白内障の初期症状と
濁る場所による見え方
水晶体の濁りの状態から白内障は3つに分類されます。
皮質白内障
皮質白内障は、水晶体の外側にある皮質という部分から濁ってくる白内障です。
水晶体の中心部まで濁ってくるのに時間がかかるため、進行するまで視力は落ちにくいですが、かすみの症状が出やすいのが特徴です。
核白内障
核白内障とは、水晶体の中心部にある核という部分から濁ってくる白内障です。核が濁るにつれて近視が強くなることが多く、眼鏡が合わなくなる、老眼鏡がいらなくなったといった症状がでてきます。進行すると、色の判別しにくくなり、光を眩しく感じ、視力が落ちてきます。50歳、60歳になってから眼鏡の度を頻繁に変えている人は核性白内障を患っている可能性もありますので、一度眼科を受診することをお勧めします。
後嚢下白内障
後嚢下白内障は、水晶体の後側にある後嚢付近から濁ってくる白内障です。糖尿病白内障、ステロイド薬の副作用による白内障で見られやすく、初期からかすみの症状が現れやすく、進行が速いのが特徴です。
白内障の検査
視力検査
視力を測定する検査です。
眼鏡で矯正して測定する矯正視力や、必要に応じて、裸眼視力や持参のメガネ・コンタクトレンズを使用して視力を測定します。白内障が進行すると、裸眼視力だけでなく、矯正視力も低下します。
屈曲検査
屈折検査では、遠視・近視・乱視など屈折異常やその度数を評価します。白内障が進行すると乱視が増えたり、近視が強くなってくることがあります。
角膜形状解析
角膜の形を測定することで、眼鏡で矯正できない乱視(不正乱視)がないか調べます。
不正乱視が強いと白内障手術をしても視力が十分に回復しないことがあります。
細隙灯顕微鏡検査
細隙灯顕微鏡検査では、拡大鏡を使用して帯状の光を眼に当てて、まぶた、角膜、結膜、虹彩、水晶体などの状態を調べます。水晶体の濁り方や白内障の進行具合を見ることができます。
眼底検査
眼底検査では、視神経や網膜といった眼球の奥にある眼底と呼ばれる部分に異常がないか調べます。眼底に異常があると白内障手術をしても視力が十分に回復しないことがあります。
超音波検査(断層撮影法)
進行した白内障で眼底検査ができない場合、超音波を使って他の病気(網膜剥離など)がないか術前に検査します。
眼圧検査
眼球の硬さ(眼球内の圧力)を測る検査です。眼圧が高いと緑内障になりやすくなります。緑内障の有無により白内障手術の術式が変更になることがあります。また、進行した緑内障があると、白内障手術をしても視力が十分に回復しないことがあります。
白内障の治療方法
薬物療法(点眼液)
現在、白内障を治す(水晶体の濁りを取り除いてくれる)薬はありません。
自覚症状のない軽度の白内障に対して、白内障の進行を遅らせることを目的として、ピレノキシン製剤(カリーユニ®、カタリン®)または、グルタチオン製剤(タチオン®︎)を点眼することがあります。白内障を治す効果はありませんので、すでに自覚症状が出ていて、日常生活に支障が出ている場合は手術療法をお勧めします。
白内障の予防法
食生活の見直し
食生活の乱れや運動不足は生活習慣病の原因となります。
特に糖尿病は、糖尿病性白内障を合併するなど、白内障のリスクが高くなります。
バランスの取れた規則正しい食生活を心がけましょう。
紫外線から
目を守る
紫外線は、老化の原因である活性酸素を発生させる要因となり、白内障になる原因とひとつとして知られています。
目に入ってくる紫外線を減らすために、つばの広い帽子やUVカット(紫外線カット)のサングラスを着用することが有効です。ただし、UVカット機能のない色の濃いサングラスは瞳孔が広がり紫外線を多く浴びてしまうことになるのので逆効果です。
抗酸化作用のあるものを
摂取する
ほうれん草や、ブロッコリー、マンゴーなどに多く含まれるビタミンC、ルテイン、ゼアキサンチンには抗酸化作用があり、体を老化させる活性酸素の増加を予防する効果があります。これらを多く含む食べ物やサプリメントの摂取が白内障予防に有効という報告があります。
よくある質問
白内障は手術しないで治せる?
白内障の症状を手術以外の方法で治すことはできません。
白内障は老化現象のひとつです。一度混濁してしまった水晶体は自然に治癒することありません。白内障が進行し、日常生活に支障が出ている場合は手術が必要となります。
白内障の手術は早くした方がいい?
白内障が進行しても手術をすれば治る病気ですので、必ずしも手術を急ぐ必要はありません。
白内障自体は手遅れになる病気ではありません。しかし、白内障が進行し、眼底が見えにくくなると緑内障や網膜剥離など放っておくと手遅れになり失明してしまう可能性のある病気を見つけることが困難になります。
日常生活に支障が出てくる程度の段階での手術をお勧めします。
白内障手術を受けるタイミングは?
白内障の手術を受けるタイミングのひとつは『日常生活に支障が出てくる時』です。また、車の運転をされる方は自覚的な視力低下がなくても免許更新に必要な視力である0.7が出ない場合は手術が必要です。
『日常生活に支障が出てくる時』は人によって異なります。雨の日や夜間に見えなくて怖くて運転できない、天気の良い日は、まぶしくて目が開けられないといった症状があれば、たとえ視力が1.2あっても手術をした方がよい場合もあります。
また、白内障の進行が原因で眼圧が上がり緑内障を引き起こすこともあります。
視力が良好で日常生活に全く支障がない場合でも緑内障を予防するために白内障手術を勧められる場合もあります。
単焦点レンズ?多焦点レンズ?どちらがいいの?
どちらのレンズも一長一短ありますので、手術を受ける人の生活スタイルによってどちらがいいかは異なります。また、眼底に病気のある人は多焦点レンズが使えないこともあります。
単焦点レンズはピントの合う範囲が狭いですが、ピントの合う位置は多焦点レンズより鮮明に見えます。術後、運転用や老眼鏡など何かしらの眼鏡が必要になるケースが多いです。
多焦点レンズはピントの合う範囲が広いですが、単焦点レンズに比べると見え方の質が劣ります。術後眼鏡が必要なくなる、もしくは眼鏡を必要とする場面を減らすことができます。
単焦点レンズか多焦点レンズかで迷っておられる方は当院医師にご相談ください。眼の状態や生活スタイルにあったレンズ選びをサポートいたします。